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見えない不安と苦しみを救う心の専門家

依存症 関係依存③ スマホ

スマホが手放せなくなる心理について今回はお話ししますね。

「ひとりでいるのが不安でたまらないのです」

と訴える涼子さん(27歳)は、
スマホのLINEのやり取りが
友達との唯一のホットラインになっていました。

以前は電話で話すこともあったのですが、
電話だと相手の邪魔になるんじゃないか、
もし留守電だったら、
と気になってしまうので、
時間や相手の状況にあまり気を遣わずにすむ
LINEの方が簡単に感じています。

涼子さんは食品メーカーでOLをしていますが、
仕事中もスマホをマナーにして
LINEがいつ来てもいいようにしています。

「出来るだけ早く返信したいから、
隠れながらでもLINEを打つのが早くなって、
自分ですごいなって感心したくらいです」

というほどです。

なぜそこまでLINEなしではいられなく
なってしまったのでしょうか

きっかけは一人暮らしをはじめたことでした。
今お会社に転職したのを機に実家を出た涼子さん。

憧れの一人暮らしのはずでしたが、
仕事に慣れるのに必死で、部屋には帰って寝るだけの
毎日が続きました。

「ある晩、テレビを見ながらコンビニで
 買ったものを食べているとき、
 大きな影に飲み込まれて、そのまま
 置き去りにされるような感覚がしました。
 誰かの声を聴きたいけれど、
 こんな遅い時間に電話できない。
 だから、同僚に、
 《ごめん、まだ起きてる?》ってLINE
 したら、すぐに返事が来たんです。
 思わずやったー!と叫んでいました」

それからというもの、通勤電車の中、食事中も、
テレビを見ながらでも、寝るときだっていつも
スマホを握りしめ、必死にLINEを打っています。
家までの帰り道にLINEに没頭していて
車に引かれそうになったのも、一度や二度では
ありません。

こちらは、パソコンのチャットにはまってしまった
晶子さん(30歳)。

一番楽しい時間は、チャットルームで
おしゃべりしている時だと言います。

ハンドルネーム(ネット上の仮名)を
いくつも使い分けて、
人妻や女子高生、時には男性のフリまでして、
ネットの世界で、自分以外の誰かになる快感を
やめられなくなってしまいました。

「ふだん口にできないようなことを、吐き出せるのが
 チャット。会社での嫌なことを忘れたくて、
 別の人格を演じていたのだと思います」

日中は仕事がありますから、チャットをするのは
夜だけになります。明け方までキーボードを
触っているのは当たり前になり、
睡眠不足から遅刻が増えていきました。

この現状を母親が放っておくはずがありません。

毎晩明け方まで何をしているのか
問い詰められ、きつく叱られたのですが、
その反動で、仕事も休み、部屋に閉じこもって
しまいました。

そして、母親に連れられていらっしゃったのです。

涼子さんと晶子さんの行動はどちらも依存症です。
ホストクラブにはまったケースと同様に

「関係依存」

で、スマホやパソコンという便利な道具を使うことで
誰かと一緒にいる安心感を求めていたのです。

今や、スマホやパソコンは、仕事だけでなく、
普段の生活に欠かせない道具です。

しかし、それがなくなると、自分をコントロール
出来なくなるようでは、便利な道具でしょうか?

逆に自分が振り回されているといっても
いいでしょう。

それぞれの話を聞いてみると、
どちらも母親の期待にこたえたいのに、
それが出来なかった自分に強い劣等感がありました。

しっかりとした親子関係を
築けなかったために、道具を使ってその孤独感を
埋めてしまうのです。

一人で過ごすことは、孤立しているのではなく、

自立です。

涼子さんと晶子さんには、何でもいいので、
自分一人で集中できることを始めるよう勧めました。

もちろん、スマホやパソコンは抜きです。

涼子さんは料理をはじめ、晶子さんは
ノートに自分の言いたいことを書くことを
はじめました。

少しづつですが、健全な生活をだいぶ
取り戻しました。

依存症は病気です。
一人で悩まずにご相談ください。

今日も最後までお読みいただいてありがとうございます。

今日一日があなたにとって

素敵な一日になりますように。

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