相手とコミュニケーションをとるとき、
いつも同じパターンに陥って不快な気持ちになる場合、
これを「ゲーム」と呼びます。
たとえば、子供がわざといたずらをします。
母親はわかっていながら子供を叱っています。
そして叱った自分を
「またやってしまった」
と責めるのです。
叱ってもらった子供はご満悦。
母親に振り向いてもらえたからです。
そうなると、母親から愛情がほしくなったら
いたずらをすればいいわけですから、
いつまでたってもいたずらは止めません。
そして母親は相変わらず子供をしかり飛ばすのです。
この非建設的なパターンを「ゲーム」といいます。
姑との折り合いが悪い桜子さん(34歳)は、何かといえば
文句ばかり言われていて精神的に参っていました。
家の事だけではなく、息子の育て方、
親戚づきあいにまで、すべての事に
口を挟まれてしまうのです。
最初のうちは自分の考えを主張したり、
提案していたのですが、なぜかいつもの姑のいけんに
言いくるめられてしまい、
「どうしていつもこういうパターンになるの?」
と行き場のない不満がたまっていました。
桜子さんに
「いつもこうなるとわかっているのに、どうしてほかのやり方を
試してみないの?あなたも姑さんもゲームを繰り返していることに気づいて」
と問いかけてみました。
大事なことはパターンに気が付くことです。
姑さんは桜子さんに文句を言うゲームをしています。
お嫁さんにいろいろ教えているつもりで、
結局、「あなたはダメな嫁、私が居なければ何もできない」
と言いたいのです。
ですから、桜子さんが文句を言われてシュンとなったり
不満を漏らしたりすれば、相手はもっとエスカレートします。
姑さんは桜子さんを挑発することで、
自分の存在意義を確認できます。
この状況を解決するには
お互いがゲームに気づいて
ゲームをやめればいいのですが、
相手を変えることはなかなか
出来る事ではありません。
そう、自分が変わる方が早いのです。
桜子さんには姑さんともめてしまった時は
次の二つの方法のうちどちらかを試してみるように
伝えました。
①姑さんがゲームを仕掛けてきたら、
「見ざる聞かざる言わざる」を決め込んで
自分の中からシャットアウトしてしまう。
挑発に乗らない。
②いろいろ文句を言うのは存在意義を確認してほしいという欲求なので、
尊重してあげる。
「お義母さんは人生の先輩ですから、お義母さんの意見を聞かせてください」
などと、下手に出て質問する。
引いてダメなら押してみる。
ゲームにはまったふりをして上手に駆け引きをする。
「なるほどね」といって意見を聞いたふりをして
最後は自分の思い通りにしてしまえばいいのです。
これを繰り返して相手に
「どうせ言っても言うことをきかないのならムダ」
と思わせればしめたものです。
自分が変われば、おのずと今の緊張感を崩すことが出来ます。
相手と過去は変わらないけど、自分と未来は変えられます。
相手の波に飲み込まれないように踏ん張ってみましょう。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございます。
今日一日があなたにとって
素敵な一日になりますように。